雨宝院(うほういん)は上京区、智恵光院通から上立売通を西に50メートルほど入ったところにある真言宗のお寺です。
創建は821年。
真言宗の開祖、弘法大師空海(こうぼうだいしくうかい)が嵯峨天皇の病気平癒を祈願して大聖歓喜天像(だいしょうかんぎてんぞう)をお祀りしたのが、当寺の始まりとされています。
かつては、東寺と並ぶような大伽藍を誇っていたと言いますが、応仁の乱で荒廃し、再建時には寺域を縮小。
現在の堂宇は天明の大火(1788年)後に再建されたものと言います。
雨宝院のアルバム
今出川智恵光院の交差点を北に上がって、2筋目が上立売通です。
その上立売通を西に入ると、雨宝院の小さな看板があるのですが、電信柱の陰に隠れて非常に見えにくいです。
雨宝院の南門。
上立売通に面している門です。
赤い提灯が印象的。
決して大きな門ではありませんが、山門の奥に見える木々と相まって、情緒のある景色を作り出しています。
西門。
智恵光院通と浄福寺通の間の北向きの一方通行に面しています。
南門に比べると屋根が瓦葺の分、やや立派に感じられます。
この門の真正面にご本尊の大聖歓喜天がお祀りされていることから考えると、こちらの門が正門のような取扱いになっているのかもしれません。
お寺の方の車が見えてますが、どうやら、この門からバックで入って駐車しているようです。
いつか門に擦りそうで、めちゃくちゃ怖いんですけどw
境内。
狭い境内に緑が生い茂っていて、少し暗いのですが、それが、また、雰囲気があっていい感じです。
上に見えている大きな松は、京都市の指定保存樹にもなっているアカマツ「時雨の松」です。
その昔、久邇宮朝彦親王(くにのみやともひこしんのう・昭和天皇の皇太后、香淳皇后の祖父)が参拝された際ににわか雨にあわれて、この松の下でしばし雨宿りをされたことがあるそうですよ。
歓喜天堂。
ご本尊である秘仏の大聖歓喜天像をお祀りしています。
提灯に日本最古という文字が見えます。
日本で最も古くから歓喜天をお祀りしていると自称しているお寺が、いくつかあるようですが、こちらもそのうちの一つということですね。
観音堂。
重要文化財にもなっている千手観音立像がお祀りされています。
今から1150年ほど前に作成されたとされる非常に歴史的価値の高い仏像だそうですよ。
大師堂。
真言宗の開祖にして、当寺の開基でもある弘法大師像をお祀りしています。
なお、雨宝院の弘法大師像は「阿吽あせかきの弘法大師」といい、汗をかくほど辛いことでも助けてくれるそうですよ。
右から日輪大師(にちりんだいし)、大黒天、青面金剛、釈迦如来、地蔵菩薩、十一面観世音菩薩。
これだけ並んでいれば雨宝院に参るだけで、かなり、たくさんのご利益を頂くことができますねw
なお、日輪大師というのは日輪の中に弘法大師を描いたもののことを、青面金剛(しょうめんこんごう)とは庚申信仰(こうじんしんこう)における御神体のことを言います。
大聖不動明王。
厄難除災のほか、出世のご利益があります。
どこかのお母さんがものすごく、お堂の中を覗いてはりますねw
宝稲荷大明神。
提灯に弁財天と毘沙門天のお名前がありましたので、一緒にお祀りされているものと思います。
お堂の左側にあるのが染殿の井。
この井戸の水を染め物に使うとよく染まるんだとか。
西陣と言う土地柄を感じる話ですよね。
右側の祠は弁財天さんをお祀りするものです。
雨宝院の基本情報
雨宝院の基本情報は以下の通りです。
雨宝院 | |
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山号 | 北向山(ほっこうざん) |
宗派 | 真言宗 |
創建 | 821年 |
開基・開山 | 弘法大師(こうぼうだいし) |
所在地 | 京都市上京区智恵光院通上立売通上ル聖天町9-3 |
アクセス | 京都駅より市バス6、206乙系統乗車、千本上立売下車。 乗車時間30分、徒歩6分。 |
拝観時間 | 9時~17時 |
拝観料金 | 無料 |
ご本尊 | 大聖歓喜天(だいしょうかんぎてん) |
寺宝 | 重要文化財;千手観音立像 |
雨宝院の所在地図
赤色のマークが雨宝院の所在地となります。
同時に参りたい雨宝院近くのお寺と神社
・釘抜地蔵(くぎぬきじぞう・石像寺(しゃくぞうじ))
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