智積院

智積院

智積院(ちしゃくいん)は東山区、七条通の東の突き当りに東大路通りに面して山門を構える真言宗智山派の総本山寺院です。

14世紀初頭に和歌山県の岩出市にあった大伝法院(根来寺)の塔頭寺院として創建されましたが1585年、豊臣秀吉による根来攻めによって、消滅。

1598年、玄宥(げんゆう)が京都東山において草庵を結び、1601年、徳川家康より豊国神社境内にあった寺を寄進されることによって、本格的に再建を果たしました。

さらに大坂の陣の後、豊臣秀吉の嫡男、鶴松の菩提寺であった祥雲寺の境内を得、寺域を拡大。

その後、真言宗学を学ぶ場として発展し、多くの優れた学侶を輩出することとなります。

智積院のアルバム

山門。

真言宗智山派の総本山にふさわしい威風堂々たる門です。

七条通の東の突き当りのような場所にあります。

残念ながら、こちらは通ることができませんので、通常門の方に回ります。

智積院の山門

入口です。

まるで自然公園のような大きくて開放的な入口ですよね。

智積院の入口

通用門。

これまた、今風でお寺の門には見えないですね。

智積院の通用門

参道。

よく見ると一度、左に曲がって、そこからまた真っすぐに伸びてますね。

お堂のある場所までかなり距離がありそう。

智積院の参道

中興の玄宥像。

寺の歴史が十数年も中断したことや、境内が全く別の場所に変わったことを考えれば実質的な開山と言えるのかもしれません。

智積院の玄宥像

金堂。

通常の寺院で言うところの本堂にあたるものです。

見たところ、鉄筋コンクリート造で情緒とかは感じませんが、そのあまりの巨大さに圧倒されます。

こちらには大日如来像が安置されています。

1975年の再建です。

智積院の金堂

明王殿。

こちらも金堂ほどではないですが、非常に大きな建物。

1882年に大雲院の本堂を譲り受け、移築したものです。

安置されているのは紀州根来寺から伝来したと言う不動明王。

なんでも、こちらのお不動さんは麦つき不動と呼ばれているらしいです。

智積院の明王殿

明王殿の西の方にある鐘楼。

めちゃくちゃ巨大です。

こちらは1998年の建立ですね。

後ほど、紹介しますが、智積院にはもう一つ古い鐘楼があります。

智積院の鐘楼

金堂の北側にある階段。

見えているのは大師堂ですね。

智積院大師堂への階段

大師堂。

急に厳かな雰囲気。

その名の通り、真言宗の開祖、弘法大師空海をお祀りしています。

建立は天明の大火の翌年の1789年です。

智積院の大師堂

さらに東側にある細い階段を上ります。

緑に囲まれた雰囲気のある道です。

智積院の密厳堂への階段

密厳堂。

開山堂とも呼ばれています。

お祀りされているのは智積院の大本、根来寺の開山にして、真言宗中興の祖、覚鑁(かくばん・興教大師(こうぎょうだいし))です。

こちらは1667年の建立です。

智積院の密厳堂

密厳堂と同じエリアにある鐘楼。

一つ目の鐘楼に比べると小さいですが、それでも随分と立派なもの。

何より歴史の重みを感じる風貌です。

こちらは豊国神社の末寺にあったものを移築したものらしいです。

智積院の鐘楼2

運敞蔵(うんしょうぞう)。

智山教学の大成者、運敞の蔵書を収蔵すると共に、その坐像をお祀りしているそうです。

智積院の運敞蔵

興教大師像。

智積院の興教大師像

求聞持堂(ぐもんじどう)。

文殊堂もしくは護摩堂とも言うらしいです。

お祀りされているのは虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)。

1851年の建立です。

智積院の求聞持堂

収蔵庫でしょうか。

説明書きがなかったので、建立年や用途など、一切、わかりませんが、随分と目を引く建物です。

智積院の収蔵庫

三社檀。

右から順番に春日大明神社、三部権現社、九社明神社の3つの祠がお祀りされています。

いずれも密厳堂建立時(1667年)に勧請されたものです。

智積院の三社檀

春日大明神社。

智積院の春日大明神社

三部権現社。

三部権現は根来寺以来の総鎮守だそうです。

なお、三部権現というのは特定の神様ではなく、日本でお祀りされているたくさんの神様の総称みたいなものらしいです。

要するにめちゃくちゃ、たくさんの神様にお守り頂いているということなのだと思います。

智積院の三部権現社

九社明神社。

智積院の九社明神社

第ニ行堂(だいにあんどう)。

行堂というのは行者(あんじゃ・修行者)の住まいのことを言います。

ところで第一行堂はどこ?

智積院の第ニ行堂

藤森天王社(ふじのもりてんのうしゃ)。

智積院の藤森天王社

白山大権現社。

智積院の白山大権現社

天満宮社。

智積院の天満宮社

愛宕大権現社。

智積院の愛宕大権現社

はっきりしたことはわからないのですが、位置関係的に三社檀の鳥居なんだろうと思います。

ということは、この建物は拝殿みたいなもの?

智積院の三社檀の鳥居と拝殿

金堂の裏手のお庭にはたくさんのアジサイが植えられています。

色んな色の花があって、見ていても楽しいです。

アジサイの写真を撮ることを目当てに来られている方も結構、多いようですよ。

智積院のアジサイ

それでは長谷川等伯一門の絵と庭園を見に行きたいと思います。

金堂前の参道を入口方向に向かって戻ります。

智積院の参道

収蔵庫。

長谷川等伯一門の障壁画を見ることができます。

ここで見ることができる絵は、もともと祥雲寺の客殿の障壁画だったそうです。

入口付近にあるボタンを押すと音声解説を聞きながら絵を見ることができますので、是非とも利用して下さいね。

ちなみに私が行ったときはタイミングよく、一人きりだったので、心ゆくまで、ゆっくりと鑑賞することができました。

智積院の収蔵庫

上記、収蔵庫内は当然のことながら、写真撮影が禁止されています。

その代わりと言ってはなんですが、展示されている障壁画の写真を用いている拝観チケットを掲載しておきます。

楓図の部分が長谷川等伯の、桜図の部分が、等伯の息子、久蔵の絵だそうです。

なお、久蔵はこの絵を描き上げたすぐ後に26歳という若さで亡くなっています。

まさに自らの命を削る創作活動だったのでしょう。

智積院の拝観チケット

唐門。

きらびやかではありませんが、品格を感じる門です。

東福門院からの移築だそうです。

智積院の唐門

講堂。

少々、下がっても端から端まで一枚の写真に収めることができないほど大きなお堂です。

1995年に建立されました

こちらにはもともと金堂にお祀りしていた阿弥陀如来像をお祀りしています。

智積院の講堂

講堂の前にある高浜虚子が当寺を拝観した際に詠んだという俳句の歌碑。

「ひらひらとつくもをぬひて落花かな」

「つくも」とは「ふとい」という多年草のことらしいです。

いずれにしてもあんまり大した歌には思えません。(失礼)

智積院の高浜虚子の歌碑

講堂の角を曲がると早速、庭園。

智積院講の庭園

美しい池です。

この池にかつて虚子が句に詠んだ「ふとい」が群生していたのでしょうか。

智積院講の庭園2

池が大書院のすぐ下まで入り込んでいるような・・

水面をわたって涼やかな風が入り込んでくることでしょう。

智積院の庭園3

大書院。

手前の少し緑がかって見える部分は茶室でしょうか。

智積院の大書院

中庭。

なにぶん、無教養なもので作庭の意図などまるでわかりませんが、素直に素敵なお庭だと思えます。

智積院の講堂の中庭

それでは講堂内部です。

後藤順一の襖絵です。

作品名は「百雀図」。

智積院の百雀図1

こちらの襖には鴨の親子が描かれています。

智積院の百雀図2

同室に飾ってあった掛軸。

描かれているのは玄宥?それとも覚鑁?

智積院講堂の掛軸

こちらも後藤順一の襖絵。

作品名は「浄」。

浄というのは静かでにごりのない状態のこと。

確かに見ているだけで心が洗われるような気がします。

智積院講堂の襖絵、浄

こちらの襖には桜が描かれています。

しだれ桜でしょうか。

本当にそこに桜があって、花見をしているような気分になる絵です。

一番、左の襖の下の部分に描かれているのはリスですね。

こういう絵でリスというのは、初めて見た気がします。

智積院講堂の襖絵、浄2

大書院の襖絵。

こちらは収蔵庫で展示されている絵の複製品のようです。

きらびやか過ぎて、そうは見えないんですが。(笑)

ただし、ぜいたくな気分になれることは間違いありません。

智積院大書院の襖絵1

見れば見るほど、お寺と言うより、お城のような襖絵ですよね。

そう言えば、これらの襖絵はもともと秀吉が建立した祥雲寺にあったもの。

そう考えれば、なんか納得がいきます。

秀吉らしい。(笑)

智積院大書院の襖絵2

襖絵ばかりに気をとられていましたが、よくよく見ると建物自体も年季の入った、随分と立派なものです。

東福門院からの移築だそうです。

智積院大書院の襖絵3

これまた、美しい中庭。

でも、これだけの美しさを維持するために、どれだけの手間暇をかけていらっしゃるんでしょうか。

考えるだけでもゾッとします。

智積院大書院の中庭

ここで立ち止まってシャッターを切られている方、非常に多かったです。

日本人好みの風景なのでしょう。

智積院大書院と諸堂をつなぐ渡り廊下

大書院の玄関。

智積院でたった一つだけ、おすすめのスポットをあげるとすれば、ここに尽きるでしょう。

山門一つで隔てられる静寂と喧騒のコントラスト。

正面に見えるのは七条通です。

智積院大書院の大玄関

大玄関横の庭。

これだけたくさん美しい庭を見ると、ちょっと庭のこと勉強してみようかなという気にもなりますよね。

智積院大玄関横の庭

こんなところに小さな梵鐘が。

朝のお勤めの時間などを知らせるためのものでしょうか。

智積院講堂の梵鐘

延命子育地蔵大菩薩。

講堂を出て通用門方向に向かう途中にあります。

延命子育地蔵大菩薩

境内北側の本坊方面に向かう途中に大日如来の祠が。

結構、こんな感じで小さくお祀りされている大日如来さんをお見かけしますよね。

智積院の大日如来の祠

大玄関。

大寺院にふさわしい堂々たる風貌。

一度でいいから、ここから招かれてみたいなあ。

外から見た智積院の大玄関

境内側から見る山門。

大玄関から眺めるより、七条通の喧騒が近くなります。

これもまた美しい風景。

智積院境内側から見る山門

本坊への門。

なお、向こうに見えている門を出て東方向に坂を上がっていくと智積院とは色んな意味で因縁深い、豊臣秀吉を弔う豊国廟があります。

智積院の本坊門

法務所。

普通に言うところの寺務所ですね。

僧侶の方が慌ただしく出入りされてました。

これだけの大寺院になるとやることも多いのだと思います。

智積院法務所

智積院は実に見どころの多いお寺で、じっくり見ようと思うと少なくとも半日仕事になると思います。

拝観に行かれる際は、そのつもりでスケジュールを立てるようにして下さいね。

智積院の基本情報

智積院の基本情報は以下の通りです。

智積院
山号五百佛山(いおぶさん)
宗派真言宗
創建14世紀初頭
※根来寺の創建は1140年
開基・開山真憲坊長盛
※根来寺の開山は覚鑁(かくばん・興教大師(こうぎょうだいし))
所在地京都府京都市東山区東大路通七条下ル東瓦町964
アクセス京都駅より市バス206甲、208乙、急行110系統乗車、東山七条下車。
乗車時間9分、徒歩3分。
拝観時間9時~16時(収蔵庫と庭園)
拝観料金大人500円、中高生300円、小学生200円
ご本尊大日如来
寺宝国宝;桜楓図、松に秋草図、松に黄蜀葵図、松雪の図など(長谷川等伯一門の作)
その他重要文化財多数

智積院の所在地図

赤色のマークが智積院の所在地となります。

同時に参りたい智積院近くのお寺と神社

・三十三間堂(さんじゅうさんげんどう・蓮華王院(れんげおういん))

・養源院(ようげんいん)

・法住寺(ほうじゅうじ)

・豊国神社(とよくにじんじゃ)

・方広寺(ほうこうじ)

・妙法院(みょうほういん)

・新日吉神宮(いまひえじんぐう)

・新熊野神社(いまくまのじんじゃ)

・大谷本廟(おおたにほんびょう・西大谷(にしおおたに))

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です