聖護院(しょうごいん)は、左京区、東大路通から春日北通を東に120メートルほど入ったところに山門を構える本山修験宗(ほんざんしゅげんしゅう)の総本山寺院です。
1090年、白河上皇が熊野三山を参拝する際に、高名な修験者であった増誉(ぞうよ)が先達(せんだつ・案内役のこと)を務めました。
その功績により、堂宇を頂戴したのが当寺の始まりとされています。
(一説には修験道の開祖、役行者(えんのぎょうじゃ)が創建した常光寺を下賜されたとも)
応仁の乱や火災等により何度となく堂宇を失い、各地を転々とし、現在地には1676年に移転してきました。
なお、寺号の聖護院は、「聖体護持(せいたいごじ・天皇をお護りするの意)」からとったものとのことです。
聖護院のアルバム
山門。
品格を感じさせる堂々たる山門。
さすがは本山修験宗の総本山寺院です。
梁の部分に大きな菊の御紋が見えます。
聖護院は静恵法親王(じょうえほっしんのう・後白河天皇の息子)以来、数多くの法親王が入寺してきた門跡寺院なのです。
※門跡寺院・・・天皇家等のきわめて身分の高い人が入寺した寺院のこと。
境内。
山門をくぐると前庭に大きな木があって、ロータリーのようになっています。
看板の文字を読んでちょっとビックリ。
どうやら、参拝者ならここまで車で入ってきて問題ないようです。
本当に?
玄関。
間口の広い非常に立派な玄関です。
特別拝観時にはこちらから入ることができるようです。
参拝入口。
通常参拝の場合はこちらから入ることになります。
こちらから入って受付前の階段を2階に上がると大仏間があり、そちらで参拝することができます。
宸殿(しんでん)。
1676年に再建されたものです。
威圧感はありませんが、かなり大きな建物。
部屋数はなんと15以上もあって、狩野永納(かのうえいのう・狩野永徳のひ孫)らによる障壁画が数多く残されています。
なお、宸殿には光格天皇(こうかくてんのう・119代天皇)がお住いになられていたことがあるそうです。
親王時代だけでなく、在位した後も天明の大火で御所が焼失してしまったため、再建までの約3年間をこちらで過ごされたんですって。
つまり、仮皇居だったことがあるということですね。
そう言われるとやけに有難い建物のように思えてきます。(笑)
宇賀弁財天(うがべんざいてん)、山王権現(さんのうごんげん)、稲荷大明神(いなりだいみょうじん)をお祀りする祠。
祠の右下にある案内書きを見るとわかるのですが、この三柱の神様で大抵のご利益はカバーできます。
しっかりと手を合わせておきましょう。
※宇賀弁財天・・・宇賀神(うがしん・蛇神さん)と弁財天が習合した神様。
※山王権現・・・神道と天台宗等が融合して生まれた神様。天台宗の鎮守神である。
本堂(不動堂)。
ご本尊の不動明王立像(重要文化財)が安置されています。
こちらは1968年に再建されたものです。
重要文化財を安置している関係で耐火式の宮殿(くうでん・空殿)を供えているらしいです。
なお、宸殿にも何体か、不動明王像がお祀りされていますが、それらは廃寺となった末寺から承継したものです。
ご本尊の不動明王はあくまで本堂でお祀りされているものになります。
寺務所。
宸殿と本堂の間にあります。
どうやら平日は閉まっているようです。
庫裏(上で紹介した参拝入口から入ることができる建物が庫裏です。)の中にも受付がありますので、こちらが閉まっている場合には受付で御朱印等を頂くことになります。
長屋門。
門と言うよりは建物の下に通路があるだけという感じ。
中は納戸等として使用されたいたらしいです。
長屋門をくぐった先の境内。
突き当りに見えている建物は聖護院御殿荘光淳という宿泊施設。
懐石料理なども頂けるそうなので、折を見て是非、一度、利用してみたいと思います。
庫裏。
この建物の1階部分に受付が、2階部分に大仏間が、それぞれあります。
西門。
失礼ながらちょっと、ガタが来ている雰囲気です。
案内書きのとおり、頭上に注意が必要そう。
おまけ。
庫裏内部の中庭。
全く乱れが感じられない、手の行き届いたお庭です。
どうしても宸殿の内部が見たいので秋の特別拝観にはまた来ます。
今から楽しみ。
聖護院の基本情報
聖護院の基本情報は以下の通りです。
聖護院 | |
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山号 | なし |
宗派 | 本山修験宗(ほんざんしゅげんしゅう) |
創建 | 1090年 |
開基・開山 | 増誉(ぞうよ) |
所在地 | 京都府京都市左京区聖護院中町15 |
電話番号 | 075-771-1880 |
アクセス | ①京都駅より市バス206甲系統乗車、熊野神社前下車。 乗車時間29分、徒歩4分。 ②京都駅より市バス100系統乗車、岡崎道下車。 乗車時間29分、徒歩7分。 |
拝観時間 | 4月〜8月、9時30分~17時 9月〜3月、9時30分~16時30分 |
拝観料金 | 有料拝観は大人800円(秋の特別拝観期間) |
ご本尊 | 不動明王 |
寺宝 | 重要文化財;書院、熊野曼荼羅図、不動明王立像ほか |
行事 | 1月8日~14日、寒中托鉢修行 |
聖護院の所在地図
赤色のマークが聖護院の所在地となります。
同時に参りたい聖護院近くのお寺と神社
・岡崎神社(おかざきじんじゃ)
・真如堂(しんにょどう・真正極楽寺(しんしょうごくらくじ))
・吉田神社(よしだじんじゃ)
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