誓願寺(せいかんじ)は、新京極通にある浄土宗西山深草派(じょうどしゅうせいざんふかくさは)の総本山である寺院です。
もともとは飛鳥時代に奈良で建立されましたが(天智天皇の勅願寺です)、平安遷都に伴い、上京区の元誓願寺通に移転。
さらに、その後、豊臣秀吉による天正地割の際に現在地に移転しました。
誓願寺の第五十五世、策伝上人(さくでんしょうにん)は、笑い話集である「醒酔笑(せいすいしょう)」という本を書いています。
で、その醒酔笑が後世において落語のネタ本になったことから策伝上人は「落語の祖」と呼ばれることとなりました。
今でも策伝上人の命日に近い10月の上旬には、策伝忌(さくでんき)という法要が行われ、落語が奉納されているそうですよ。
誓願寺のアルバム
誓願寺の石碑。
圓光大師(えんこうだいし)とは、浄土宗の開祖、法然のことです。
そう、こちらのお寺はなんといっても浄土宗西山深草派の総本山ですからね。
写真を撮っているときに、通りすがりのおばちゃんが「なんか安っぽい見た目の寺やなあ。新しいんか?」などと言っていましたが、お堂の見た目だけで判断してはいけません。
創建より1350年もの年月を数える京都でも有数の古刹なのです。
本堂の扉は開けっ放しで、誰でもウェルカム状態。
なんと懐の深いお寺。
思わず20分ぐらいご本尊の阿弥陀如来さんを眺めてしまいました。
ちなみに、この阿弥陀如来さんは1869年に石清水八幡宮からいらっしゃったそうです。
北向地蔵尊。
その名のとおり、北に向かって立っています。
北向というのはちょっと縁起が悪い感じがしますが、お地蔵さんの人に寄り添うあり方を示していて、安置の仕方としては正しいものらしいです。
たしか大阪、梅田の紀伊国屋の横にも北向地蔵尊がありましたよね。
誓願寺さんは、存在は知っていましたが、これまであまり意識することなく素通りしてました。
でも、知れば知るほど、素敵なお寺です。
また、新京極に行く際には立ち寄らせてもらいたいと思います。
誓願寺の基本情報
誓願寺の基本情報は以下の通りです。
誓願寺 | |
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山号 | なし |
宗派 | 浄土宗 |
創建 | 667年 |
開基・開山 | 恵隠(えおん)、天智天皇(勅願) |
所在地 | 京都府京都市中京区新京極通三条下ル桜之町453番地 |
電話番号 | 075-221-0958 |
アクセス | ①京都駅より市バス5、17、37、205乙系統乗車、河原町三条下車。 乗車時間14分、徒歩4分。 ②阪急京都線河原町駅より徒歩6分。 ③地下鉄東西線京都市役所前駅より徒歩7分。 |
拝観時間 | 9時~17時 |
拝観料金 | 無料 |
ご本尊 | 阿弥陀如来 |
寺宝 | 重要文化財;木造毘沙門天立像(京都国立博物館が保管)、絹本著色誓願寺縁起 |
行事 | 10月上旬;策伝忌(さくでんき) 落語の祖と言われる策伝上人をしのんで落語会などが催される。 |
誓願寺の所在地図
赤色のマークが誓願寺の所在地となります。
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