岩上神社(いわがみじんじゃ)は上京区、浄福寺通から上立売通を東に入り、1本目の筋を少し北に上がったところにある神社です。
伝えられるところによると、もともと二条堀川、その後、岩上通六角(堀川通から六角通を西に少し入ったあたり)付近にあった霊石を後陽成天皇(ごようせいぜいてんのう)の女御(にょうご)、中和門院(ちゅうわもんいん・近衛前子(このえさきこ))の屋敷の池のほとりに移したところ、その霊石が、ほえたり、すすり泣いたり、子供に化けたりするという怪奇現象があったそうです。
その霊石を持て余した女官(にょかん)たちは、蓮乗院(れんじょういん)という僧に相談します。
すると蓮乗院はその石を預かり、石をお祀りする、有乳山岩上寺というお寺を創建したそうです。
岩上寺は西陣焼け(1730年)、天明の大火(てんめいのたいか)などで堂宇を失い荒廃。
ついに明治維新の折に廃寺となります。
しかし、大正時代になって千切屋(ちきりや)という織物商が、自宅敷地内に祠を設け、神社として再興。
そのかいあって、現在も地域の方々に、子育てや母乳が良く出るようになるご利益がある神様として大いに大事にされています。
岩上神社のアルバム
手水所。
鹿威し、石桶共に見るからに新しい感じです。
近年、しっかりと整備されたのかもしれません。
あらためて岩神さん。
御神体はかなり大きな石です。
ただ、そんなに見た目がかわっているわけでもなく、あまり怪奇現象を引き起こしそうな感じはしません。
神様となって、すっかり落ち着かれたということでしょうか。
どんなものも手を合わせられれば、手を合わせられるにふさわしい存在になっていくのかもしれませんね。
岩上神社さんの写真は以上となります。
はい、岩上神社さんには、岩神さんをお祀りする祠と、手水所以外、何もないのです。
でも、これだけきれいに整備してもらっているあたりに地域の方からの信仰の厚さが伺えますよね。
くしくも参拝当日、神社の周辺では、子供たちが元気よく遊びまわっていました。
それも、地域の方が岩神さんを大事にされているご利益なのかもしれませんね。
岩上神社の基本情報
岩上神社の基本情報は以下の通りです。
岩上神社 | |
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所在地 | 京都府京都市上京区大黒町689 |
電話番号 | なし |
アクセス | ①京都駅より市バス206乙系統乗車、千本上立売下車。 乗車時間28分、徒歩5分。 ②京都駅より市バス9系統乗車、堀川上立売下車。 乗車時間24分、徒歩9分。 |
拝観時間 | 自由参拝 |
拝観料金 | 無料 |
創建 | 1630年頃 |
ご祭神 | 岩上(いわがみ) |
岩上神社の所在地図
赤色のマークが岩上神社の所在地となります。
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