引接寺(いんしょうじ)は上京区、寺之内通から千本通りを100メートルほど、上がったところにあるお寺です。
ご本尊が閻魔法王であることから、「千本ゑんま堂」の通り名で親しまれています。
引接寺の起源は、小野篁(おののたかむら)がこの地に閻魔法王をお祀りするべく、ゑんま堂を建立したことと伝えられています。
小野篁と言えば、あの世とこの世を自由に行き来し、昼間は宮中に、夜は閻魔法王のもとに出仕したと言われる人物ですね。
その後、1017年、源信(げんしん)の弟弟子にあたる定覚(じょうかく)が、光明山歓喜院引接寺(こうみょうざんかんきいんいんしょうじ)と号し、寺院として正式に開山しました。
現在もお盆の時期には、ご先祖様をお迎えするお精霊迎え(おしょうらいむかえ)や、ご先祖様をお送りするお精霊送りの地として、多くの参拝客で賑わい、当寺に対する京都人の変わらぬ信仰の厚さを感じることができます。
引接寺のアルバム
本堂。
赤い提灯で何とも賑やか。
こちらにはご本尊の閻魔法王像がお祀りされています。
本堂前の顔出し看板。
千本えんま堂大念仏狂言の出演者に扮することができます。
ちなみに千本えんま堂大念仏狂言は、京都市登録無形民俗文化財となっています。
本堂内。
いかにも町堂といった感じの雑然とした雰囲気。
個人的には大好きです。
閻魔法王像はガラスの扉の向こう側にいらっしゃいます。
手前に見えている像は賓頭盧(びんずる)さんですね。
表千家と裏千家、さらには千本えんま堂保存茶会が奉納された提灯が見えます。
茶道の世界の方からの信仰が厚いのでしょうか。
授与所。
本堂に入って左手側にあります。
本堂の座敷に上がっての参拝はこちらでお願いするみたいです。
塔婆流し場。
ここで水塔婆を流し、迎え鐘をついて、お精霊さんをお迎えするわけです。
鐘楼。
こちらも奉納された赤い提灯で飾られ賑やか。
盆踊りのやぐらのような雰囲気だと思いませんか?
寺務所。
公民館か小さな学校のよう。
本当に変な気どりのないお寺だと思います。
十重石塔の紹介文。
後ろに見えているのが、その本体です。
本体の写真を撮ろうとしたタイミングでおばちゃんの大群が押し寄せてきて、仕方なく、その場を離れたのですが、そのまま失念してしまいました。
重要文化財の写真を撮り忘れるなんて_| ̄|○
また、近くを通った際には写真を撮ってきたいと思います。
紫式部像。
ん?
どこかで美人だったという話を聞いたような・・・
微妙です。
小杉大明神。
鎮守社でしょうか。
茶釜塚。
さきほどの提灯の件と言い、茶道界とつながりが深いことは間違いなさそうです。
引接寺の基本情報
引接寺の基本情報は以下の通りです。
引接寺 | |
---|---|
山号 | 光明山(こうみょうざん) |
宗派 | 真言宗 |
創建 | 9世紀中ごろ (正式な寺院となるのは1017年) |
開基・開山 | 小野篁(おののたかむら)、定覚(じょうかく) |
所在地 | 京都府京都市上京区閻魔前町34 |
電話番号 | 075-462-3332 |
アクセス | 京都駅より市バス6、206乙系統乗車、乾隆校前下車。 乗車時間31分、徒歩3分。 |
拝観時間 | 9時~17時 |
拝観料金 | 境内自由拝観 ※本殿にあがっての参拝は志納制 |
ご本尊 | 閻魔法王 |
寺宝 | 重要文化財、十重石塔 |
行事 | 5月1日~4日、千本ゑんま堂大念仏狂言 8月7日~16日、お精霊迎え、お精霊送り |
引接寺の所在地図
赤色のマークが引接寺の所在地となります。
同時に回りたい引接寺近くのお寺と神社
・建勲神社(けんくんじんじゃ)
・上品蓮台寺(じょうぼんれんだいじ)
・石像寺(しゃくぞうじ・釘抜地蔵(くぎぬきじぞう))
・大報恩寺(だいほうおんじ・千本釈迦堂(せんぼんしゃかどう))
・平野神社(ひらのじんじゃ)
・わら天神(わらてんじん・敷地神社(しきちじんじゃ))
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